パニック障害の診断は内科的検査と問診で調べます

パニック障害の検査

 

パニック障害の診断は、まず中心症状であるパニック発作から調べ、そしてそれがパニック障害によるものかどうかを診断します。

 

診断基準にはDSM(米国精神医学会発行の診断基準)が使われます。

 

体や心の病気がないか調べます

発作の症状としてあらわれる動悸、めまい、呼吸困難などの身体症状が体の病気などほかの原因によるものでないか内科的な検査をします。

 

間違えられやすい病気は、特に心臓病(不整脈や狭心症など)やバセドウ病(甲状腺機能亢進症)などを見逃さないようにします。

 

また、パニック発作はほかの精神疾患でも起こります。

 

恐怖症(社交不安症や限局性恐怖症)、強迫性障害・強迫症、心的外傷後ストレス障害(PTSD)などを併発していないか、また統合失調症やうつ病でもパニック発作を起こすことがありますので、その鑑別が重要です。

 

場合によっては、薬物、アルコール、カフェインなどによる中毒と離脱症状(急にやめることで起こる症状)がないかもチェックする必要があります。

 

問診でパニック発作を確定します

体の病気や、物質による影響がないことが確かめられたら、改めてパニック発作かどうかを調べます。

 

発作ではどんな症状があらわれたか、発作はどんな状況で起こったか、また発作前後の状況などを患者さんから詳しく聞き、「パニック発作の診断基準」と照合しながら確定していきます。

 

パニック障害のパニック発作は、「理由のない」「予期しない」発作で、「くり返し」起こることが条件です。

 

特定の状況と結びついて起こる発作(限局性恐怖症やPTSDなどによる発作)は除外します。

 

ただし、特定の状況と結びついていても、たとえば広場恐怖症で電車に乗れない人がやむをえず電車に乗って起こるような発作は、除外しません。

 

パニック障害かどうかの診断

パニック発作が確定したら、「パニック障害の診断基準」と照らしながら、患者さんの状態がパニック障害かどうかを、問診によって調べます。

  • 予期しない発作がくり返し起こる
  • また発作が起こるのではないかという不安(予期不安)がある
  • 気がおかしくなるのではないかなど、発作の結末を心配する
  • 発作に関連した行動の変化がある(たとえば発作が心配で仕事をやめてしまう、など)
  • このような症状が「1カ月以上つづいている」

以上のような条作を満たせば、パニック障害と確定します。

 

広場恐怖症があるか調べます

「広場恐怖症の診断基準」に照らしながら、広場恐怖症を併発しているかを調べます。

 

パニック障害は、広場恐怖症があるかどうかで治療法が異なるからです。

 

パニック発作が起こったとき、逃げられない(または逃げたら恥をかく)ような場所や状況、あるいは、発作が起きたときに助けが求められないような場所や状況にいることに対して激しい不安や恐怖心があるかどうかを確認します。

 

回避する場所や状況が特定のものに限定されている場合は、ほかの病気を疑います。

 

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パニック発作の診断基準

強い恐怖や不快感が突然高まり、数分内のうちにその長点に達します。

 

その間、下記の症状のうち4つまたはそれ以上が生ずれぱパニック発作と考えられます。

  • 動悸、心悸亢進、または心拍数の増加
  • 発汗
  • 身震い、またはふるえ
  • 息切れ感、または息苦しさ
  • 窒息感
  • 胸痛、または胸部の不快感
  • 吐き気、または腹部の不快感
  • めまい間、ふらつく感じ、頭が軽くなる感じ、または気が遠くなる感じ
  • 冷感(悪寒)、または熱感
  • 異常感覚(感覚マヒ、またはうずき感)
  • 現実感喪失(現実ではない感じ)
  • コントロールコントロールを失うことに対する、または気が狂うことに対する恐怖
  • 死ぬことに対する恐怖

(DSM-5による)

 

 

パニック障害の診断基準

A 予期しないパニック発作が繰り返し起こる。

 

B 少なくとも1回の発作のあと1カ月(またはそれ以上)、以下のうちの1つ(またはそれ以上)がつづくこと。
(1)もっと発作が起こるのではないかという発作の結果についての心配(例:コントロールを失う、心臓発作を起こす、気が狂う)
(2)発作に関連した行動の大きく適応な変化(例:パニック発作を回避しようとする行動、たとえば運動や慣れていない状況を避ける)

 

C この障害は、物質(例:薬物乱用、投薬)、またはほかの身体疾患(例:甲状腺機能亢進症、心配疾患)の直接的な生理学的作用によるものではない。

 

D この障害は、以下ようなほかの精神疾患ではうまく説明されない。
・社交不安障害、社交不安症(例:おそれている社会的状況のみに反応して生じる)
・限局性恐怖症(例:恐怖が生じる対象はある特定のものや状況に制限される)
・強迫性障害、強迫症(例:汚染に対する強迫観念のある人が、ごみや汚染にさらされて生じる)
・心的外傷後ストレス障害(例:トラウマティックな出来事を想起して生じる)
・分離不安障害、分離不安症(例:身近な家族から離れることに反応して生じる)
(DSM-5による)

 

広場恐怖症の診断基準

A 少なくとも以下の5つの状況のうち、2つ以上の広場恐怖の対象となる状況について、いちじるしい恐怖、もしくは不安を生じる。
1.公共の交通機関(例:自動車、バス、電車、船、飛行機での移動)
2.開けた空間(例:駐車場、スーパーマーケット、橋)
3.店、劇場、もしくは映画館|こいる
4.,列|こ並ぶ、もしくは人込みlこいる
5..そのほかの状況で家の外1人でいる

 

B 自分を制御できなくなるような症状やパニック様症状が起きたときに、逃げることが困難、もしくは助けが得られないかもしれない状況に恐怖を感じる。

 

C 広場恐怖の対象となる状況において、一貫して恐怖、もしくは不安が誘発される。

 

D 広場恐怖の対象となる状況を積極的に回避するか、同伴者を求めるか、あるいは激しい恐怖、もしくは不安を感じながら耐え忍んでいる。

 

E 恐怖、もしくは不安は、広場恐怖の対象となる状況において、実際に引き起こされた危険性に対して釣り合わない(注:釣り合わないかどうかは、社会文化的状況を参考にする)。

 

F 恐怖、不安、もしくは回避は、少なくとも6カ月持続する。

 

G 恐怖、不安、もしくは回避は、臨床上いちじるしい苦痛、または社会的、職業的、またはほかの重要な領域|こおける機能の障害を起こしている。

 

H この障害は、物質(薬物乱用、投薬)、または一般身体疾患(例:甲状腺機能亢進症)の直接的な生理学的作用によるものではない。

 

I この障害は、以下のようなほかの精神疾患ではうまく説明されない。
・限局性恐怖症 … 状況型の限定された対象、あるいは状況に対する不安
・社交不安障害、社交不安症や身体醜形障害、集計恐怖症の社会的状況に対する不安
・強迫性障害、強迫症に関連した対象、あるいは状況に対する不安
・心的外傷後ストレス障害 (PTSD)のトラウマティクな出来事の想起に関する不安
・分離不安障害、分離不安症|こおける身近な家族から離れることへの不安
(DSM-5による)


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