パニック障害の治療で内部感覚エクスポージャーは発作を恐れなくすることが目的です

内部感覚エクスポージャー

こわいのは発作ではなく呼吸困難などの内部感覚

 

内部感覚エクスポージャーの「内部感覚」とは、パニック発作で起こる身体的な内部感覚(動悸、めまい、吐き気、呼吸困難など)です。

 

この内部感覚にあえて自分をさらあい、それにしだいに慣れていき、最終的には発作を「こわがらなくする」ことが、この治療法の日標です。

 

内部感覚エクスポージャーでは、パニック障害という病気の本質は、パニック発作そのものではないと考えます。

 

もちろん患者さんは発作をおそれますが、実際におそれているのは、発作によってわき起こってくる内部感覚なのです。

 

その感覚を、みずからつくり出して体験するのが内部感覚エクスポージヤーです。

 

薬やリラクゼーション、自律訓練法などで不安や発作を抑えるやり方とはまったく逆の療法です。

 

つまり、意図的に発作を起こし、その発作に慣れるようにすることを目的としているのが、内部感覚エクポージャーなのです。

 

決して楽な方法ではありませんが、不快な身体感覚を自分でコントロールする力が身につき、再発なども起こりにくくなります。

 

この療法では、発作の苦しみを避けるための薬などは、あえて用意しません。

 

みずから積極的に発作を経験することがポイントですから、はじめるにあたっては、患者さんにも心がまえが必要です。

 

薬を断ちますので、離脱症状(禁断症状)があらわれますし、発作も起こります。

 

そういったことを気にしないで生活できるか、治したいという気持ちにかわりはないか、それをみずから確認することが大切なのです。

 

このような心がまえは、パニック障害の患者さんにとってはつらいことに思えます。

 

しかし、実は、うつ病の人にも同じような不安発作はよく起こります。

 

ただし、うつ病の人は発作が起こっても、救急車を呼んだり、薬を飲んだりはしません。

 

発作が起きても、あわてたりせず、そのままにしています。

 

いずれ発作はおさまることがわかっているからです。

 

発作が起こること自体は異常ではなく、発作をこわがり、発作が起こらないように予防線をはることが問題になる(回復を遅くする)…これが、内部感覚エクスポージャーの考え方なのです。

 

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みずから症状を起こし恐怖への抵抗力をつける

内部感覚エクスポージヤーでは、薬からの離脱症状や、薬をやめることであらわれる不安症状なども、エクスポージヤー(曝露)の一つと考えます。

 

そのため、薬を計画的に減らしていって中止し、離脱状態のピークで治療プログラムに入ることがあります。

 

病状の悪化もありますので、医帥の指示を守ることが大切です。

 

治療プログラムでは、まずパニック障害への理解を深め、自分の発作を客観的に見るための学習をしてから、発作を経験するメニューに入ります。

 

発作をみずから起こす方法は、イスの上で体を回転させる、過呼吸をしたり息を止める、コーヒー(カフェイン)を飲む、息切れするほど激しい運動をする、おなかが苦しくなるまで食べる、などを専門家の指導のもとで実施します。

 

いずれも交感神経が興奮する方法で、患者さんにはパニック発作が起こったときと同じ身体感覚が起こります。

 

その後は、対処法を練習します。

 

自律訓紳法や筋肉弛緩法などのリラクゼーションで、発作による不快感を軽くします。

 

通常は、1回2〜3時間のセッションを2〜3回くり返してコースは終わりますが、身につけたエクスポージャー法は、自宅でもくり返し練習するようにします。

 

こうして恐怖への抵抗をつけておくと、はじめての場所やはじめての経験で恐怖の感覚が呼びさまされたときも、あわてず対処できるようになります。

 

自律訓練法は心身をリラックスさせてくれます

 

不安や恐怖は心も体も緊表状態にし、その緊張が神経を過敏にして、さらに発作を起こしやすくします。

 

パニック障害の患者さんにとって、緊張をときほぐすリラックス法を身につけることには大きな意味があります。

 

自律訓練法は、これだけで症状を改善することはできません。

 

ただし、心と体の緊張をやわらげて心身を安定させることができるので、うつ病や不安症への効果が高く、多くの医療機関が取り入れています。

 

パニック障害では、曝露瞭法の前に行うことかすすめられています。

 

自律訓練法で緊張をやわらげておくと、不安や恐怖におちいりそうなときにも落ち着いて対処できます。

 

自律訓練法の基本は、体の力を抜いて筋肉をゆるめることです。

 

そうすることで全身の毛細血管が拡張して、血液の循環がよくなり、心身の緊張がほぐれてきます。

 

また、呼吸法の調節もポイントです。

 

深く、静かにかに、ゆっくりと腹式呼吸を行うことで、精神が安定しているときの脳波であるα波がふえます。

 

最初は、正しいやり方を専門家に指導してもらいましょう。

 

慣れてくれば、自分でセルフコントロールができるようになります。

 

自律訓練法の効果

  • 疲労回復
  • 抗ストレス効果
  • コントロールカアップ
  • 集中力アップ
  • 苦痛の緩和作用
  • 精神力アップ

 

 

自律訓練法でリラックスしましょう

  • はじめる前に、ベルトや腕時計など、体を締め付けるものをはずします。
  • 行うのは静かな部屋で、あおむけに寝るか、イスにゆったりすわります。
  • 目は軽く閉じ、呼吸は腹式呼吸をします。。
  • まず、「気持ちがとても落ち着いている」と暗示をかけます(基礎公式)
  • 次に、以下の「6つの公式」と呼ばれる「暗示」をとなえていきます。
  1. 「右手が重い」。次に左手、右足、左足が重いとつづけていく。
  2. 「右手が温かい」。次に左手、右足、左足が温かいとつづけていく。
  3. 「心臓が静かに鼓動している」
  4. 「楽に呼吸している」
  5. 「おなかが温かい」
  6. 「ひたいが心地よく涼しい」

     

     

  1. 6つの公式は、最初2番目くらいまででも十分効果があります。
  2. 練習後は、活動レベルを戻すため、以下の「消去動作」を行います。
    • 5〜6回、両手を握ったり開いたりする
    • 2〜3回、両ひじを曲げたりのばしたりする
    • 大きく背のびをし、目を開ける

(消去動作をしないで、いきなり立ち上がったりすると、ふらついたり転倒することがありますので必ず行ってください)

 


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