パニック障害の療養生活には家族のサポートが不可欠です

家族団らん

 

パニック障害の療養生活を送る上で、患者さんにとって家族のサポートは大変重要です。

 

まず、実生活の面です。患者さんは、発作が不安で行動が制約されたり、いままで出来ていたことか出来なくなったり、疲れやすくなったりして、生活が不自由にっています。

 

家族は、こういった不自由さに身近に接していますので、患者さんが何に苦労しているかをいちばんわかっています。

 

たとえばある男性患者さんは、パニック障害になって以来、理容院に行けなくなってしまいました。発作がこわくて行けないのだとわかっていた母親が、回復するまでの3年間、その男性の髪をを切ってあげました。

 

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心の面でのケアは、さらに大切です。次は、ある若い女性患者のケースです。

 

その女性は、父親から「そんなに弱くてはダメだ。もっとしっかりしなさい」といわれつづけました。女性は、「私のような人間は、もう生きている価値がない」と絶望的になり、死にたいと考えるようになりました。

 

しかし、そのことを医師には話せないでいました。薬を服用しているにもかかわらず、発作がよくならない女性の経過をおかしいと感じた医師は、何度か面談をくり返し、ようやく父親との関係がわかったのでした。

 

医師は、母親に父親と患者さんんのパイプ役を頼みました。母親の説得で面談にに来た父親に、医師は次のような説明をしました。

  • パニック発作が起こるのは、パニック障害という「病気」のためであり、人間性の弱さや強さとは関係がないこと。
  • 脳が敏感になっているので、患者さんが発作をおそれるのは当然であること。
  • 発作は薬によって、完全に止められること、
  • 発作がなくなれば、認知行動療法などで広場恐怖症も克服できるようになること。
  • 死を考えるほど追いつめられた患者さんの心を受け止め、薬物療法や精神療法の意味を埋解して、治療がうまくいくように協力することが家族の役割であること。

医師の話を聞いて父親は、「病気のことがわかっていなかった自分が悪かった」と後悔し、パニック障害について勉強するようになりました。

 

パニック障害は、家族の対応によって経過が大きくかわってくる病気です。家族がパニック障害という病気をよく理解し、あたたかく接していると、患者さんも安心して治療に取りり組めます。

 

一方、家族に病気についての知識や理解がないと、患者さんの不安や恐怖がわからず、「しっかりしなさい」といった的はずれな言葉をかけてしまうことにもなります。それでは、患者さんは孤立感を深めるだけで、症状は決してよくなりません。

 

くり返しますが、大切なことは、病気についての正しい知識と理解を持つことです。そして、患者さんの「治ろうとする力」を信じることです。「あせらないで。時間はかかっても、治療をすれば必ずよくなるから」と、患者さんをあたたかく見守る姿勢が必要です。

 

見守るといっても、それは放置することではありません。必要なときにはすぐに手をさしのべられるように心がまえをしておくことも大切です。


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