パニック障害では患者さんの療養生活に家族が協力できることは何でしょうか

家族団らん

 

いっしょに暮らす家族だからできること、それは生活の改善です。患者さんの生活が治療に適したものになっているかどうかを見直し、環境をととのえることは、病気回復につながります。

 

治療への協力

まず考えたいのは、治療への協力です。療養生活で重要なのは、服薬と通院の管理です。どちらも患者さんが自分で管理できればよいのですが、むずかしい場合もあります。患者さんの様子に気を配り、とどこおっている場合は協力してあげることが必要です。

 

生活のリズムをととのえる

毎日の生活リズムを規則正しいものにすることも、療養生活には欠かせません。特に、起きる時間と寝る時間、そして食事の時間がポイントです。患者さんといっしょに1日のスケジュールを決め、それが守れるように協力しましょう。

 

また、生活のリズムを維持するために、日中はだらだら過ごさせないようにしましょう。テレビゲームやインターネットなどに夢中になっていないか、昼寝などしていないかなどに気を配ることも大切です。

 

ストレス対策

ストレスへの対策も重要です。中でも家族関係です。精神医学では、家族は患者さんにとってもっとも重要な「環境」と考えます。

 

わかりやすくいうと、家族とともに過ごす「生活環境」(「家族生活環境」といいます)が非常に重要なのです。

 

 

家庭の中に、一人でも病気を理解できない家族がいると、患者さんにとっては大きなストレスとなり、治療の上でもマイナスです。

 

家族の理解を促すためには、調整役が必要です。この役割りは母親が担うことが多いのですが、ただし、一人で背負う必要はありません。医師や臨床心理士などのスタッフとも相談しながら進めていきましょう。

 

生活の変化に気を配る

外出の機会が減っている、昼夜逆転の生活になっている、過食になっている、といったことも、いっしょに暮らす家族ならすぐ気づきます。

 

また、症状の悪化や、逆によい方向への変化を見つけてあげられるのも家族ならではのことです。

 

そのような生活全般の変化に気を配り、必要な場合は声をかけて、回復につながるような環境をつくっていくことが大切です。

 

治療に適した生活環境とは

  • 患者さんが「病気を持った人」として受け入れられている。
  • 症状が出ても、それは病気のためと認識されている。
  • 患者さんとは、あたたかな、適度な距離が保たれている。
  • 患者さんの努力が十分に認められ、よい方向に向けば評価される。
  • たまにいい合うことはあっても修復でき、おだやかな家族関係が築かれている。

 

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療養生活は家族が協力してつくっていく

治療に協力する

療養生活の基本は、「薬の服用」と「定期的な通院」です。これがスムーズにできているかどうか気を配ってください。

 

薬は用法・用量を守る必要がありますが、患者さんによって副作用を気にして、家族黙って量を減らしり、飲むのをやめたりする場合があります。「副作用でつらいことはない?」と家族のほうから声をかけて、状況を把握するようにしましょう。

 

副作用について、患者さんが医師へ伝えにくいようなら、家族がかわって医師と話すことで、薬の処方をかえてもらえる場合があります。

 

通院には、毎回は無理でも、可能な場合は同行しましょう。患者さんの様子を医師へ伝えることができます。また、患者さんといっしょに医師の説明を受けることで、病気への理解が深まります。気になることがあれば医師に相談して、アドバイスを受けることもできます。

 

医師は家族に治療への参加を求めることがあります。患者さんが信頼している家族に補助してもらうことで、治療効果を高めることが期待できるからです。こういった場合は、ぜひ協力しましょう。家族にとっても、治療への理解が深まるよい機会です。

 

 

生活のリズムをつくる

日々の営み、中でも食事と睡眠の時間を毎日一定にすると、生活のリズムがととのってきます。最初のうちは、1日のおおまかなスケジュールを決めるとよいでしょう。患者さんと相談しながら、起床、3度の食事、就寝、さらには家事や運動の時間も組み込んだものにします。

 

患者さんがきちんとスケジュールを守れるように、家族も協力しましょう。特に重要なのは起床の時間です。ここでくずれると、1日のリズムがはじまりません。患者さんと「起こし方」のルールを決めるのもよいことです。

 

何時に、何回声をかけるか、患者さんの希望を聞き、無理のないものならその通りにします。ただし、起きてこなくてもしかったりしないことです。約束通り起きてきたら、「おはよう」と声をかけてあげましょう。

 

 

食事は家族いっしょに

パニック障害の人がうつ病を併発すると、釣30%の人が「過食」におちいります。これは、いつも何か口にしていないと落ち着かないという不安感からくるもので、患者さん一人では克服がむずかしいものです。

 

食事のメニューづくりや運動計画を立てることは、家族が協力できるところです。患者さんといっしょに工夫をして、食生活をととのえるようにしましょう。食べる時間と量は、できる限り毎日同じにするようにします。

 

食事が規則的にになると、自律神経もととのってきて、病気にもよい影響をあたえます。

 

食事は、家族そろって食べるようにします。そうすることで、家族は患者さんの食事や栄養の管理をフォローできますし、患者さんも、一人で好き勝手に食べるわけにはいかないので、家族にあわせて1日の食事のリズムができていきます。

 

食事を家族いっしょにとるようにすると、患者さんと家族を結ぶきずなにもなります。病気のために孤立しがちな患者さんの心が、ともに食事をすることでほぐれて会話が生まれるなど、コミュニケーションの面でもよい影響が出てきます。

 

 

家族関係の調整

心の病気がある人にとって、緊張した人間関係は大きなストレスになり、病気を悪化させる要因となります。おだやかで自然な家族関係を築くためにも、患者さんの病気への誤解がある場合は、あらかじめ家族どうしで解いておくことが大切です。

 

家族が、患者さんのケアにかかりきりになることがあります。患者さんに兄弟姉妹がいる場合、どうしても負担が重くなりがちですが、こういうときこそ配慮が大切です。母親、あるいは父親が調整役になって、きめこまかく声をかけるようにしましょう。

 

「つらい思いをさせているね」「協力してくれて助かっている。ありがとう」など感謝や愛情は、言葉にして伝えることが大切です。調整役に困ったら、医師や臨床心理士などのスタッフに相談しましょう。くれぐれも、一人でかかえ込まないことが大切です。

 

 

変化への対応

パニック障害は慢性病であり、長い経過をたどります。患者さんの状態も変化していきます。身近にいる家族なら、本人も気づいていない変化にもいち早く気づくことができます。

 

外に出かけることが減ってきて、家にこもるようになると、家族も気になりますが、無理に外へ連れ出すのは避けましょう。患者さん自信が外へ出たいと思えるようになるまで待ちます。そのときが来たら、散歩や買い物など、少しずつ外出の機会をつくってあげましょう。

 

外に出れば、自然の移ろいを感じたり、家族以外の人と触れあうこともできます。広場恐怖症を高度にしないためには、このような社会のリズムに触れることも大切です。

 

症状が悪化しているようなら、できるだけ早く医師に相談しましょう。家族が気づくことで、早く対処ができます。

 

よい方向への変化も、積極的に見つけましょう。パニック障害の経過には波があり、回復の兆候は患者さん自身にもわかりにくいものです。それでも、「前よりはよくなっている」と家族が伝えてあげれば、患者さんにとっては大きな励みになります。

 


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