パニック障害では自分で行動できるように導くのも家族の役割です

甘える男性

 

パニック障害の場合「予期不安」があるため、70〜80%の人は広場恐怖症になるといわれます。広場恐怖症は、「すぐに逃げられない」、または「助けを求められない」場所や状況に身を置くことに恐怖を感じる病気で、ひどくなると、家から一歩も外に出られなくなります。

 

パニック障害の人は、発作のおそろしさから身を守るために、家族や友人・知人などまわりの人に保護を求める気持ちが強くなります。これが習慣化すると、しだいに依存的になっていきます。

 

広場恐怖を持つ人は、常にだれかがそばにいないと不安で仕方がなくなります。一人では家にいられなくなリ、外出するときは、家族など親しい人の付き添いが必要になってきます。このように、広場恐怖症は、本人だけでなく、家族などまわりの人にとっても試練を強いられる病気なのです。

 

広場恐怖があり、一人で外出できない患者さんには、はじめは家族が付き添う必要があります。家に引きこもったままでいるより、少しでも多く外出の機会をつくってあげることが、広場恐怖症の克服にも役立つからです。

 

しかし、広場恐怖症は、いつまでも家族などがつきっきりでカバーしていては、治療につながらないだけでなく、人生の大半を病気をかかえたままで過ごさなければなりません。

 

患者さんを助けてあげることは、実は、「やさしさ」ではなく、患者さんから自立の機会を奪ってしまうことにもなるということを知る必要があります。

 

患者さんのつらい症状に理解を示しつつも、できるだけ一人で行動できるように導いてあげることも、家族の大切な役割なのです。

 

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認知行動療法に取り組む患者さんを励まし、協力しましょう

治ってほしいという思いを伝える

家族がいつまでも甘やかしていては、なかなか患者さんは自分の足で歩こうとはしません。不安や恐怖への理解を示しながらも、断固とした態度が必要です。患者さんへ、「治ってほしい」「一人で行動できるようになってほしい」と伝えつづけましょう。

 

治療への「モチベーション」をつくる

広場恐怖症は、治療をすれば治すことができます。特に、認知行動療法が有効です。治療の効果を上げるためには、「早く治して、好きなことがしたい」というモチベーション(動機づけ)が必要です。

 

たとえば、好きな芝居を電車に乗って観にいく、といったことでもよいでしょう。家族なら、患者さんの「やりたい」ことがわかりますから、その望みをかなえるためにも冶療しましょうと説得します。

 

曝露療法に協力する

認知行動療法では、「曝露療法(工クスポージャー)」が中心となります。これは、患者さんか「こわい」「苦手」と思っている場所に、少しずつ慣れていって、「大丈夫だった」という経験を積み重ねていく療法です。

 

この療法では、難易度が低い順から行動目標を決めチャレンジしていきます。いつも付付き添っていた家族なら、患者さんの行動範囲もわかりますから、目標づくりに協力できます。最初はいっしょに行動するのもよいでしょう。しだいに患者さんが一人で行動できるようにしていきます。

 

いっしょに喜ぶ

患者さんは「こわい」と思っている場所へ自分から向かっていくわけですから、いかに不安感や不快感を克服するかがポイントです。最初は苦痛でも、行動することだ不安愍や恐怖感が軽くなれば、曝露療法は一段階進みます。

 

たとえば、「地下鉄に乗ると必ず発作が起こると思っていたのに、実際に乗ってみたら起こらなかった」という経験が大切なのです。家族は、患者さんができたことに拍手を送りましょう。喜びを家族と共有できれば患者さんにとっても大きな励みになります。

 

プラスの評価をする

認知行動療法は、不安のレベルが低い場面から行い、だんだんレベルを上げていきますが、上がっていかなくてもマイナスの評価をしないようにしましょ。認知行動療法で大切なのは「プラスの評価」です。

 

たとえば、電車に乗れなかったら、「電車を見に駅まで行って帰ってくる」といった目標にかえます。それでも、行動しないよりはずっといいのです。家族は、患者さんがチャレンジしたことを評価しましょう。

 

経験は糧になると伝える

認知行動療法(曝露療法)は、一時的にあと戻りすることがあります。体調をくずしたり、生活のリズムがかわったりして、思うように行動できず、症状が再燃することもあります。

 

それでも、それまで積み重ねてきた経験はムダにはなりません。必ず糧になっていると、患者さんに伝えましょう。そして、患者さんが自分の足で歩けるようになるまで見守ってあげましょう。


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