パニック障害では仕事をつづける場合は働き方を見直すことも必要です

ビジネスマン

 

パニック障害の人には、「頑張り屋さん」が少なくありません。仕事にのめり込むと、ブレーキがきかなくなるタイプです。こういう人はぎりぎりまで無理をつづけるため、体も心も休まるひまがなく、疲労やストレスが極限までたまって、発症することがあります。

 

ある男性の患者さんは、夜中に発作を起こして救急車で病院に運ばれました。男性はそれまで、朝は6時前に家を出て、帰宅するのは深夜という激務が何年もつづいていました。

 

救急病院では、特に異常が見つからなかったため、少し息苦しい感じがあったものの、男性は仕事をつづけました。しかし、1カ月後に、また激しい発作が起こりました。パニック発作でした。

 

診断した医師は、「仕事をつづけられるかどうか」を気にかける男性に、次のような提案をしました。

  • パニック発作は、これ以上無理をするのは危険だと体が送っているシグナルと考える。
  • しばらく休職することを、選択肢の一つとして考える。
  • 仕事をつづける選択肢もある。その場合は、「働き方」を工夫したほうがよい。

男性に付き添って、医師の説明を受けた妻からは、こんな疑問が出ました。「たとえ休職をしても、復職してまた同じような働き方をすれば、病気がぶり返すのではないでしょうか」。妻は、夫の激務をずっと心配していたのです。

 

医師や妻の話を聞きながら、男性は「自分の働き方に問題があった」とつくづく感じたのでした。

 

結局、仕事の内容をかえ、仕事量を減らしてもらうよう、職場の上司と相談することになりました。

 

【スポンサードリンク】

 

仕事をしないとますます落ち込む

いわゆるうつ病(定型うつ病)は、心と体のエネルギーが枯渇する病気です。エネルギーの充電が必要なので、治療の第一は、まず「休む」ことです。医師も休職をすすめます。

 

しかし、パニック障害では、ケースバイケースですが、仕事をセーブしながら「慟きつづける」ことも選択肢になります。

 

パニック障害の人は、ものごとを悪い方向に考える傾向があります。仕事を熟心にしていた人ほど、休職したりすると、「自分はもうダメだ」とますます落ち込んでしまいます。そのまま辞職して、引きこもってしまうケースもあります。

 

この男性の患者さんに、。医師が「セーブしながら仕事をする」選択肢を提案したのには、そういった意味合いもありました。

 

 

職場の協力を得るため同僚に病気を伝えるか

この患者さんが上司に、「仕事の内容を見直したい」と相談すると、上司も妻と同じように、男性の働き方を心配していたことがわかりました。

 

男性はそれまで営業職でしたが、事務職へ異動し、勤務時間も定時に帰宅できるようにしてもらいました。

 

ただ、新しい職場でも、休日に会議や研修が行われることがありますし、出張もあります。体調を考えれば、同僚に協力してもらって、かわりに行ってもらう必要があります。

 

しかし、男性、上司には病名を告げましたが、新しい同僚には知らせたくないと考えました。こういった場合は、上司といえども本人の了解なしに、病気のことを他人に知らせることは控えなければなりません。

 

男性が新しい職場に慣れ、良好な人間関係がつくれるようになってから、少しずつ知らせていくということでもよいでしょう。

 

ただし、上司には、家族から(必要な場合は医師からも)、治療の経過などをきちんと説明するようにします。

 

 

病気が完全に治るまで治療はつづけましょう

セーブしながら仕事をつづける場合も、休職してある程度回復してから職場に戻る場合も、いずれにしても治療はつづける必要があります。

 

パニック障害の治療は、日常生活が不自由なく過ごせるようになることが目標です。発作がおさまっているからと、患者さんがハードワークにならないよう、家族も十分に気をつける必要があります。

 

特に、休職から職場復帰した患者さんの場合は、復帰は大きな変化なので、その変化を乗り越えるためにも、医師の指示通りに薬を飲みつづけることが大切です。

 

仕事に戻ると、患者さんは忙しさのあまり、つい薬を飲み忘れてしまうことがあります。家族は、患者さんが医師の指示通りに薬を飲んでいるかどうかを見守り、もし飲み忘れているようなら、声をかけましょう。薬の管理も、家族の大切なサポートです。

 

また、症状の変化や副作用の有無など、家族は患者さんの様子をできるだけこまかく観察し、もし何か変化があればメモをしておいて、次の診察の際にそれを医師に伝えれば、対策を講じてくれます。


【スポンサードリンク】