パニック障害の症状が進行すると広場恐怖症となっていきます

広場恐怖症

 

パニック障害の症状が進んでいくとおきる広場恐怖症とはどのような症状でしょうか。下記に実際の例を上げてみます。

 

発作の記憶で電車に乗れなくなってしまった、良子さん(27歳)のケース

 

会社員の良子さん(27歳)に最初の発作が起こったのは電車の中でした。

 

突然強い不安感におそわれ、心臓が破裂しそうで、呼吸が苦しくなり、息も絶え絶えになりながら次の駅で降りました。

 

以降、このときの記憶が里美さんを苦しめました。

 

特に、発作がはじまったときに、向かいの席にすわっていた人たちが驚いたように自分を見ていた、その視線を思い出すと、気分が悪くなりました。

 

それでも、当時の良子さんは就職活動をしていたので、毎日出かけなければなりません。電車に乗るのがこわくなった良子さんは、近所の内科診療所を受診しました。

 

自律神経失調症と診断され、薬が処方されました。しかし効果が感じられず、ほとんど飲みませんでした。

 

その後良子さんは就職しましたが、突然の発作症状はつづきました。外出はできましたが、電車やバスには不安があり、付き添いがあれば何とか乗れるという感じでした。

 

しかし、不安感のために途中下車することもありました。

 

結局、最初の発作から2年半後に、総合病院の神経科を受診しました。パニック障害と診断され、本格的な治療がはじまりました。

 

良子さんは、抗不安薬でパニック発作がコントロールできるようになり、行動療法にも取り組んで、決まった路線のバスであれば一人で乗車できるようになりました。

 

しかし、電車にはいまだに付き添いがないと乗れません。発作時の電車内でのことを思い出し、強い不安にかられるのです。

 

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不安な場所を避け、生活に支障が出るのが「広場恐怖症」です

パニック障害は、ふつうは時間も場所も選ばず、突然に起こります。

 

しかし、予期不安が強くなると、本人は、発作のおそろしい経験と、それが起こった場所や状況を強く結びつけて考えるようになり、そのような場所や状況を避けるようになります。

 

この回避行動が、しだいに「広場恐怖症」になっていきます。

 

「広場」とは、広い場所をさすのではなく、発作が起きても「逃げられない場所」や「助けを求められない場所」のことで、そのような場所や状況に身を置くことに恐怖を感じ、忌避・逃避行動をとるのが広場恐怖症です。

 

恐怖の対象になるのは、人によってさまざまですが、交通機関(飛行機、高速道路、新幹線、特急電車など)、知らない人に囲まれる場所(エレベーター、人込み、長い行列など)が多いようです。

 

恐怖の対象か広がると、行動範囲がせばまったり、一人では外出できなくなるなど、日常生.活に支障が出ます。さらには、家から一歩も出られなくなるほど重症になる場合もあります。

 

パニック障害では、80%以上の人が多かれ少なかれ広場恐怖症を持つといわれますが、重症(高度)な人ほど病気の経過が長くなる傾向があります。

 

それでも、薬物療法行動療法をしっかり行うことで、見違えるほど行動範囲が広くなる人もいます。

 

人との接触を避ける対人恐怖

広場恐怖症の、逃げられない状況や助けてもらえない状況への恐怖は、対人関係への不安や心配ともかかわりがあります。

 

パニック発作によって、人前で恥ずかしい思いをするのではないか、見ず知らずの他人に迷感をかけるのではないか、といったことが恐怖の対象になってしまうのです。

 

それが高じると、人との接触を避けるようになります。これが「二次的対人恐怖(社交不安障害)」で、パニック障害の患者さんの約3分の1にあらわれるといわれます。

 

広場恐怖症のレベル
軽度 … 外出に不安があるが、どうしても必要な場所だけは一人で行ける。
中等度 … 一人での外出が困難で、行動が制限される。付き添いがあると行くことができる。
高度 … ほとんど家から出られず、引きこもるようになる。

 

 


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