パニック障害になると考え方や行動が変化します

怒り発作

 

パニック障害の経過が長くなってくると、患者さんは、それまでとは違った考え方や行動をするようになります。

 

患者さんは、発症の前から強いストレスを受けていることが多く、発症してからは、ふつうの人には想像できないほどの、不安や恐怖にさらされ、健康な心は傷ついていきます。

 

そのため、発作のおそろしさから身を守りたい、不安を避けたいという気持ちが優先し、行動することに臆病になります。

 

これは、病気がそうさせるのであり、もともとそういう性格だったというわけではありません。

 

パニック障害人に見られる特徴的な思考・行動の変化には、次のようなものがあります。

 

依存的になる

病気になる前は行動力があり、何でも自分でできた人も、パニック発作をくり返すようになると、発作への不安や恐怖から、人の助けを求め、人に頼るようになります。

 

特に、広場恐怖症が高度になってくると、友人、知人、家族などに絶えず保護を求めるようになることもあります。

 

ただし、病気によって依存的になるのは、一時的で、大部分の人は、治療の効果があらわれて、不安感や恐怖感が薄らいでくれば、独り立ちしていきます。

 

しかし、一部の人は、パニック発作で人から助けてもらうたびに、しだいに自信を失い、その自信喪失がパニック発作のとき以外でも、生活のあらゆる面にまで広がり、常に人の助けを必要とする、依存的性格になってしまうことがあります。

 

生活のごくささいなことも自分では決められず、世話をしてくれる人の判断に頼り、あらゆる面でよりかかってしまうのです。

 

患者さんの世話をするのは、配偶者、あるいは親という場合が多いのですが、世話をする人がいなければ生活ができないような状態では、回復はますます難しくなります。

 

依存的になっている患者さんは、自分を見つめ直すし、認知行動療法などに取り組んで、依存から脱却することが必要です。

 

家族も、愛情と理性を持って患者さんと適度な距離をとり、甘やかさないことを心がけることが大切です。

 

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自己中心的になる

パニック障害の人がうつ病(非定型うつ病)を併発するようになると、自己中心的でわがままな行動をとることがあります.

 

これは、非定型うつ病の、「気分反応」によって、まわりで起こることに気分が左右されるためです。

 

患者さんは、自分に好ましいことがあると、うつ気分が軽くなって行動的になる一方、イヤなことがあると激しく落ち込み、体を動かすこともおっくうになります。

 

そのアップダウンが極端なため、まわりからは気まぐれで自分勝手と見え、「わざとやっている」ととられてしまうこともあります。

 

パニック障害の患者さんは、病気になる前は、明朗で活動的な一方、まじめで他人の目を気にしやすいという両面をあわせ持つ傾向があるともいわれます。

 

自分の感情を表に出すことが少なかった患者さんが、パニック障害によってその壁が破られ、自己中心的な気分が表に出るようになったと考えることもできます。

 

いずれにしても、患者さんの自己中心的な行動は、社会的にはマイナスですので、家族や周囲の人は、冷静で客観的な目で患者さんにアドバイスしてあげることが大切です。

 

攻撃的になる

パニック障害に非定型うつ病を併発すると、非常に攻撃的になる場合があります。

 

攻撃性は、「怒り発作(アンガーアタック)」となってあらわれます。

 

これは、ささいな刺激に対して、いわゆる「キレる」状態になり、並みはずれ大きな、反応をしてしまう病的な行動です。

 

怒り発作では、パニック発作のような身体症状(動悸、発汗、めまい、呼吸困難など)もありますが、不安や恐怖はそれほど前面にはあらわれず、激しい怒りが唐突にあらわれます。

 

怒り発作は攻撃性をともない、大声をあげて相手を非難したり、暴力的になって手あたりしだいにものを壊したりします。

 

しかし、発作がおさまると、患者さんは「申しわけないことをした」と自己嫌悪におちいり、うつ状態が悪化します。

 

また、発作を起こしたのは、本来の自分ではないとも感じています。

 

 

怒り発作は、すべての患者さんに起こるわけではないのですか、この発作がある患者さんは、うつ尺度が高いという調査報告もあります。

 

なお、怒り発作がたびたび起こる場合は、攻撃が自分へと向かい、自殺をしてしまうおそれがあるので、医師に相談してください。SSRIのフルボキサミンなど、怒り発作に効果がある薬を処方してもらうことかできます。

 

 

怒り発作の定義
  1. 過去6カ月間、イライラ感が認められる
  2. 過去6カ月間、ささいなことに対して過剰に反応する
  3. 過去6カ月間に、怒り発作(怒り)が生じた際に、他者に対して適切でない方法で怒りを爆発させることが認められる
  4. 怒り発作時には、次の12項目の症状のうち4つ以上の症状が同時に生じる(動悸、顔面紅潮、胸部絞扼感、四肢のビリビリ感、めまい、呼吸困難、発汗、ふるえ、恐怖感、制御できない怒りの感覚、他者への暴言・暴力や器物破損)
  5. 過去1カ月間に1回以上の怒り発作がある
  6. 怒り発作が、自分のもともとの性格とはそぐわないものと感じている
  7. 怒り発作のあと、罪悪感を感じる

 


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